2026/01/27 |
“MENS BIGI 2026 春夏展示会に行ってきたよ” の巻 |
MENS BIGI 2026 SS テーマを私GMが勝手に妄想解説! |
お洒落に迷える昭和男の駆け込み寺
「昭和男の令和スタイル」主宰のGMです。
さて、先週行ってきましたよ。春夏展示会に。
(ときどき無性に使いたくなる倒置法…)

いつもながら会場のディスプレイや
演出が見事なんだけど、
毎回私が一番注目してるのが
実は服そのものよりも、
シーズンテーマの方にある。
それはどんな分野でも
モノ作りにはその前提として、
確固としたイメージやコンセプトが
欠かせないはずだからだ。
これがボンヤリしたりブレてると、
ただの作品の寄せ集めでしかなく、
そこに魅力的な世界観は生まれない。
もちろん洋服の場合も然りで、
言い換えればその制作意図や背景を
読み取ることが出来なければ、
その服を本当に理解したとは言えないのだ。
(エラそうに…)
しかも昨年創業50周年の区切りをつけた
2026年の新生メンズビギにとって、
今回はこれからの50年に向けての
大事な一歩となるテーマなのだ。
ではその重要なテーマとは?

カフェ ウエストだと…??
私は一瞬狼狽えた。
IT以外のことなら
世の中のことは大抵知っている…
もしくは知ってる風を装うのが得意…
と自負する私でさえ初めて聞くワードだ。
これまでの私ならテーマさえ聞けば、
フル動員した長年の経験値から
勝手にイメージが湧き上がり、
実際に服を見なくても想像できたのだ。
そして後から答え合わせをして
それが正解であったことを確認し、
陰でこっそりほくそ笑むのである。
(変な趣味…)
私は配られた資料をこっそり読んでみた。
すると私のアタマに真っ先に浮かんだ
“駅西口の喫茶店”のことではないことが
判明したのである。
(当たり前だろ!)
資料にはこう書かれていた。
『メンズビギ2026春夏コレクションは、広大な大地を旅するウエスタンのスピリットを起点に、アメリカンワークの実用性、カフェレーサーの機能美 、そしてブリティッシュテーラードのクラシックな 品格を融合したシーズンです。荒野を渡る旅人の自由やタフさを背景に、「軽やかさ」「リラックス感」「機能性」という今季のキーワードを軸として、構築的なテーラードを現代的に再解釈しました。軽量素材や柔らかなシルエットによって堅さを削ぎ落とし、日常に自然に溶け込むバランスへと昇華しています。今季はアメリカのワークウェアやウエスタンカルチャーを象徴するアイテムを随所に取り入れ、さらにこれらの要素とカフェレーサー 由来の合理性と動きやすさを掛け合わせることで、都市生活に適した快適性と実用性を両立。クラシックな品格の中に、旅と自由、そしてアメリカンワークの空気を宿した都会の大人のためのデイリーウェアを提案します』
ふーむ…。どうやら“Cafe West”とは、
カフェレーサーとウエスタンを組合せた
オリジナルの造語であるらしい。
なるほど。これは一本取られた。
さすがトレンドを踏まえたテーマ設定には
定評のあるメンズビギだけのことはある。
いつもながらのセンスに加え
今回はさらにヒネリを効かせた点は、
この私から見ても大いに評価できる。
(お前、いったい何様?)
さて、カフェレーサーとウエスタンという
キーワードが分かれば話が早い。
カルチャーとファッションとの相関関係に
人一倍ウルサイ私には容易いことだ。
ということでここからは、
MENS BIGI 2026 SS テーマについて
私の勝手な妄想解説を始めようと思う。
だから今回お届けするこのブログも
気が遠〜くなるほど超〜長〜い!
ところで皆さんは、
ウエスタンならイメージしやすいけど、
カフェレーサーって何か分かります?
「コーヒーのレーサー」って意味じゃ
ワケワカメだよね。
1960年代のロンドンでは、アメリカンカルチャーに影響を受けた労働者階級の鬱屈した若者たちが様々な“族”文化を形成していった。その中の一つがロッカーズ族である。米映画「乱暴者」のマーロン・ブランドの影響大だ。
(*画像はお借りしました)

そのファッションや音楽嗜好から「ロッカーズ」と呼ばれるようになった彼らは、カフェテリアやパブに自慢のカスタムバイクで集まり、カフェテリアに誰が一番早く着くかを争ったり、店内のジュークボックスで曲をかけ、お決まりのコースを曲が終わるまでに走り終えて戻ってくるといった公道レースを楽しんだのだ。 その中心となったのが、当時唯一24時間営業していたロンドンのACE CAFE(エースカフェ)だ。これがカフェレーサー(=公道レーサー)の発祥である。
ちなみにそのロッカーズと激しい対立を繰り広げたもう一方の族こそ、あのモッズ である。映画「さらば青春の光」では、あのスティングがモッズ族のアタマを演じ、伝説となったブライトンでのロッカーズとの抗争が描かれている。
(*画像はお借りしました)

モッズ族が愛したファッションといえば、細身の三つ釦スーツやフレッド・ペリーのポロシャツ、M51(モッズコート)、バラクータのG9、リーバイスのジーンズ、クラークスのデザートブーツ、ベンシャーマンのチェックシャツ、そしてロンズデールのスポーツウェアなどだ。一方のロッカーズ族は、スタッズが打ち込まれた革ジャンにスカーフ、ジーンズにエンジニアブーツ、キャップというスタイルである。
こうしたユースカルチャー由来のストリートから生まれたファッションが、現代の今の今まで脈々と受け継がれている点がスゴい!
さらに興味深いのは彼らが愛したバイクだ。モッズ族はイタリア製ベスパをベースに、多数のミラーとヘッドライトを付けるなど派手なカスタムを施したのに対し、ロッカーズ族はイギリス製のノートンやトライアンフをベースに、コンチネンタルハンドルやシングルシート、ビキニカウルなどで空気抵抗を減らし、よりカッコよく早く走るためにカスタマイズしたのである。確かにそれぞれのファッションとバイクが見事に調和しているのが分かる。だって細身の三つ釦スーツやモッズコートを着て、前傾姿勢のトライアンフには乗らないでしょ?
ここからは余談だけど、私が好きなバイクはカフェレーサー風のレトロでクラシックなバイクの方だ。40年以上前の学生時代にハマったのがこのタイプである。当時の私は周りの走り屋が乗るレーサーレプリカを尻目に、単気筒のホンダGBをベースにカスタムを楽しんだものだ。そして昔の飛行機乗りのようなハーフキャップのヘルメットにゴーグル、Schottのレザーの代わりにMA-1、リーバイス501にドクターマーチンというスタイルが当時の私のお気に入りで、僅か半径5m以内でブイブイ言わせていたものだ。あ、これって何だか若い世代が嫌悪するオヤジの自慢話のように聞こえるかもしれないが、これは紛れもない自慢話だからいいのだ。ちなみに下の画像は、私GMが20歳の頃の愛車である。

こうしてみるとカフェレーサーのファッションとバイクって、モッズのそれよりも機能性や合理性を重視していることが分かる。そして今シーズンのメンズビギが着目した点もそこであり、現代のファッションに欠かせない機能性を、“カフェレーサー”というキーワードで表現したのだ。
ところで冒頭の説明文にもある通り、今シーズンの核となっているのはアメリカのワークウェアやウエスタンカルチャーを象徴するアイテムやディテールだ。ここで代表的なルックをご覧頂きたい。

このルックを見た私は既視感を覚えた。それは服そのものよりも、その背景にある乾いた空気感と静かな詩情だ。こ、これは!映画「パリ,テキサス」の冒頭シーンではないか! しかもこれ、実際に正解だったのだ。フフフ…。
(*画像はお借りしました)

「パリ,テキサス」は名匠ヴィム・ヴェンダース監督の1984年の作品で、私のフェイバリット映画10選の中の一つであることでも知られている。
(誰も知らん!知らん!)
淡々とした静かな映画だ。今さらストーリーをダラダラ書くつもりはないが、敢えて言うならロードムービーであり、一風変わった恋愛物語でもある。しかし私の場合、ストーリー以上に惹き込まれたのは映像の美しさである。特に冒頭シーンの荒涼としたテキサスの砂漠と空のコントラストといったら…。
さらにこの映画で印象に残るのはバックで流れるスライドギターだ。砂漠とスライドギター…。これほど相性のいい組合せがあるだろうか。そして見事なまでに全編通して映画に寄り添うように流れている。そしてこのスライドギターを聴かせるのが名手「ライ・クーダー」なのだ。
そしてこの作品の中で負けず劣らず異彩の美しさを放っているのが、何と言ってもナスターシャ・キンスキー…。あっ、いけない、いけない。調子に乗って、すっかり話が脱線してしまった。
そして肝心な商品に目を向けると、ベージュやカフェブラウン、セージグリーン、ダスティスカイブルーといった乾いたテキサスの広大な大地に溶け込むようなナチュラルカラーを軸に、デニムブルーやインディゴ、ベージュなどのワーク由来のベーシックカラーを組み合わせ、タフさと落ち着きを表現しているのだ。
さらに素材に目を向けると、上質な梳毛糸ウールを多用することによって、乾いた空気感を表現するとともに、本来は無骨でカジュアルな印象の強いワークやウエスタンアイテムを、都会的で上品な表情へと昇華しているのだ。
さすがメンズビギ!これはお見事!全方位死角なし!と言ったところではないだろうか。これから入荷する新作が、私も今から待ち遠しくて堪りません!
さて、ここまで辛抱強くお付き合い頂いた方へ、最後にとっておきの情報をお知らせしましょう! 1/30(土)より今季を象徴する別注アイテムがローンチされます。そのアイテムとは…

『LEEの名作「STORM RIDER/ストームライダー」を、MENS BIGIらしく上質かつ都会的に再構築した一着。着丈を少し長くし、全体をすっきりとしたシルエットへ。表地には薄手のウール100%を採用し、カウボーイの無骨さに上品な質感をプラス。さらに背裏にはブリティッシュなガンクラブチェックを配し、クラシックなトラッドムードを漂わせる。1970年代から続くMENS BIGIの“都会的トラッド”というフィロソフィーと、LEEの持つアメリカンワークのスピリットが融合した、今季最注目のコラボレーション!』
気になる方は是非、
こちらのオンラインストアから!
(上の画像をタップorクリック)
もしくはお近くの方なら是非、
有楽町で逢い(買い)ましょう!
嗚呼、長くて疲れた…。
(自業自得だろ!)